おいしい食べ物と、人の心をほどく物語 ー It made me want to try it

読書

柴田よしきさんの『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』を読み終わりました。

離婚調停中の女性が、信州の高原で心機一転カフェを開き、食を通してお客や自分自身の心と向き合っていく物語です。
夫婦の関係がどう決着するのか、地方のリゾート開発はうまくいくのか、といった筋の行方も気になるのですが、読んでいていちばん印象に残るのは、やはり食べ物の描写でした。

表題にもなっているベーコンサンドをはじめ、チキンのコンフィ、天然酵母のパンなど、どれも本当においしそう。
材料の調達や調理のちょっとした工夫がさりげなく書かれていて、ふだんあまり食にこだわらない私でも「食べてみたいなあ」と思わされます。いわゆる「飯テロ」本です。

スコーンにクロテッドクリームの話題では、アガサ・クリスティーのうんちくも登場して、そこからふと昔の記憶がよみがえりました。
そういえば、イギリスは食べ物全般はそれほど魅力的という印象ではなかったけれど、紅茶は本当においしかった。
イギリスの田舎でアフタヌーンティーをしてみたいなあ……と、つい空想してしまいます。

食べ物が印象に残る小説といえば、友井羊さんの『スープ屋しずく』シリーズも思い出します。
毎回おいしそうなスープが登場して、こんなお店が近くにあったら毎朝でも通いたい、と思ってしまう作品です。

どちらの物語も、お店を訪れる人の気持ちが少しやわらかくなるような、心温まる話でした。
おいしい食事には、人をほっとさせたり、前を向く力をくれたりする不思議な力があるのかもしれません。

『風のベーコンサンド』には続編もあるようなので、次も読んでみようと思います。


今日のひとこと英会話

“It made me want to try it.”
(それを試してみたくなりました。)

食べ物の本やドラマの感想でとても使いやすい表現です。
例:The descriptions of the food were so good that it made me want to try it.
(料理の描写がとてもよくて、食べてみたくなりました。)

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