Kindleで、また一冊洋書を読み終えました。
今回読んだのは
“Fish in a Tree” by Lynda Mullaly Hunt。

いわゆるYA(ヤングアダルト)ジャンルの小説です。
YAとは中高生向けの小説のこと。日本でいえば、
君たちは今が世界(朝比奈あすか) や
きみの友達(重松清)、
少し古いところでは 西の魔女が死んだ(梨木香歩) など、
学校の課題図書に挙げられるような作品が近いでしょうか。
子ども向けといっても、扱うテーマは決して軽くありません。家族、友情、倫理、自己肯定感——むしろ大人こそ刺さる内容が多いと感じます。
この物語の主人公は、dyslexia(失読症)のある6年生の女の子。
文字をそのまま認識することが難しく、読み書きに困難を抱える特性です。海外では**Tom Cruise**が公表したことで広く知られるようになりました。
一方で、空間認識力や創造性に優れているケースも多く、いわば天才肌ともいえる特性を併せ持つこともあります。主人公も卓越した芸術センスと数学的な感覚を持っています。ただ、「文字が読めない」という一点のために、それが学校の成績に反映されないだけなのです。
彼女は6年生になるまで誰にも相談できず、学校では「できない子」として毎日叱責され、同級生には馬鹿にされ続けていました。そんな彼女が、新しい先生との出会いによって、少しずつ自分を取り戻していきます。
タイトルの Fish in a Tree(木の上の魚)は、その先生の言葉から来ています。
もし魚を木に登れるかどうかで判断したら、その魚は一生、自分は馬鹿だと思い込んでしまうだろう。だから、読み書きだけで自分を判断してはいけない——。
なんとシンプルで、なんと力強い比喩でしょう。
物語には主人公を小馬鹿にする意地悪な子も登場しますが、その子自身も「一番でなければならない」という親からのプレッシャーを抱えています。誰もが、それぞれのコンプレックスや見えない枷を背負っている。そんな側面も丁寧に描かれていました。
YAは、大人向けの小説より平易で分量も比較的短め。
洋書を読んでみたいけれどハードルが高い、と感じている人にもとてもおすすめです。物語の力を、英語で味わう喜びがあります。
今日のひとこと英会話
Everyone has their own struggles.
(誰にでも、それぞれの苦労がある。)
物語の中の子どもたちにも、そして現実の私たちにも当てはまる一言。
誰かを簡単に「できる/できない」で判断しそうになったときに、そっと思い出したい言葉です。


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