授業をしていると、ときどき気になる言葉があります。
初級から上級まで、誰でも使っているのが「めっちゃ」です。
「めっちゃ楽しいです」
「めっちゃむずかしいです」
もちろん授業では、「とても」「すごく」といった基本的な副詞を教えています。けれど、学生たちは日本のアニメや漫画、YouTubeなどに親しんでいるせいか、この「めっちゃ」を本当によく知っていて、しかも自然に使っています。
そういえば、この言葉はいつからあるのだろう、と気になりました。
「めっちゃ」の語源
「めっちゃ」は、もともと関西の言葉だそうです。
語源は「めちゃくちゃ」。
「めちゃくちゃに壊れる」のように、もともとは「ひどく」「度を越して」という意味の言葉でした。
関西ではこれが短くなって、
めちゃくちゃ → めちゃ → めっちゃ
という形で、強調を表す副詞として使われるようになりました。
意味は「とても」「すごく」とほぼ同じですが、くだけた、話し言葉らしい響きがありますね。
いつごろから広まったのか
関西では昔から使われていた言葉のようですが、全国に広まったのは比較的最近です。
大きなきっかけの一つは、テレビのお笑い番組だと言われています。
関西出身の芸人が全国区の番組で活躍するようになり、関西の言い回しがそのまま広まりました。
なるほど、私は関東出身なので馴染みがなかったわけです。
さらに、アニメやドラマ、バラエティ番組、そして近年ではYouTubeやSNSの影響も大きいでしょう。
今では、若い世代を中心に、東京でも普通に耳にする言葉になりました。
どんな場面で使う言葉か
「めっちゃ」は基本的にカジュアルな言葉です。
友達同士:
「めっちゃおいしい」
「めっちゃ眠い」
SNS:
「今日めっちゃ寒い」
ただし、目上の人や正式な場面ではあまり使いません。
学生にも、
「友達と話すときはいいですが、先生やアルバイトの面接では『とても』のほうがいいですよ」
と説明しています。
学生がよく知っている日本語
面白いのは、教科書にまだ出てこない言葉でも、学生たちはよく知っていることです。
アニメや漫画から覚えた言葉は、教室で習う言葉とは少し違うけれど、そのぶん生き生きとしていて、日本語が好きだという気持ちも伝わってきます。
言葉は、教科書だけで覚えるものではなく、逆に文化や楽しみの中から入ってくるもののほうが自然に使いこなせるのだなあと、改めて感じました。
ことばは生きている
「めっちゃ」のような言葉を見ていると、言葉は時代とともに変わり、広がっていくものだと実感します。
そして、外国から来た学生が、いま日本で使われている言葉をいち早く身につけているのを見ると、少し不思議で、少しうれしい気持ちになります。


コメント