――『若様とロマン』を読み終えて
畠中恵の 若様とロマン を読み終えました。
これで 若様組シリーズ もいよいよ完結です。

シリーズを通じて、舞台は明治20年前後の東京の中心部。
街並みや人々の暮らしぶりの描写がとても生き生きとしていて、ページをめくりながら、まるでタイムスリップしているような気持ちになります。
作中で、若様組の面々が巡査になるために研修を受けた「巡査教習所」というものが出てきます。
気になって調べてみると、この時代は麹町にあったようですが後に愛宕に移転したとあり、「やっぱり」とうなずいてしまいました。
築地居留地の様子や女学校なども、名前は変えてあるものの、実在の場所や制度をもとにしているのでしょう。
巻末の参考資料一覧を見て、時代考証がしっかりしている理由がよくわかりました。
勢いで、当時の写真が多く載っているという
明治の地図で見る鹿鳴館時代の東京 を注文し、
絵で見る 明治の東京 も図書館で予約しました。
しばらくは「明治の東京」を旅する読書が続きそうです。
本の中で印象に残ったのは、女学校の運動会の場面。
泥鰌つかみレースや髪結い競争など、本当に運動会の種目なのかと疑いたくなる競技が続き、思わず笑ってしまいました。
また、上流階級の子女が集う女学校が、嫁探しの場としても見られていたという描写も興味深く、時代の価値観の違いを感じます。
150年も経つと、世の中は本当に大きく変わるものですね。
物語は、日本がこの先戦争へと進んでいく時代の直前で幕を閉じます。
歴史を知っている読者としては少し切ない気持ちにもなりますが、だからこそ、あの登場人物たちがそれぞれの幸せをつかめたことを願わずにはいられません。
🌿今日のひとこと英会話
“It makes me want to step back in time.”
(昔にタイムスリップしてみたくなります。)
歴史の本や町歩きの感想を書くときにも使える表現です。
最近は、物語を読むと「その時代をもっと知りたい」と思うことが増えました。
本の余韻のまま、次は明治の写真や地図の本を開くのが楽しみです。


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