オオイヌノフグリに出会う朝
桜やミモザ、沈丁花。
春を感じさせてくれる花はいろいろある。
けれど、私にとって「春が来た」と実感するのは、
もう少し足元に近いところにある。
オオイヌノフグリ。
地面に張り付くように、雑草のあいだにひっそりと咲く小さな花。
しゃがみこんでよく見ないと気づかないほどの存在だ。
それでも、あの空色。
まるで青空のかけらが、地面に落ちているように見える。
雑草のすきまからその色を見つけると、
「ああ、春が来た」と思う。
毎年、同じ場所で、同じように咲いてくれる。
その姿に、思わず声をかけたくなる。
今年もがんばったね。
また会えてうれしいよ、と。
ところで、このオオイヌノフグリ。
その名前には少し驚かされる。
由来は、その実の形にあるという。
花が終わったあとにできる小さな実が、
犬の…(少し言いにくいが)その部分に似ていることから、この名前がついたそうだ。
こんなに可憐な花に、どうしてそんな名前を、と思ってしまうけれど、
実際に写真を見ると、思わず吹き出してしまう。
名前の響きと、花の姿のあいだにある、ちょっとしたずれ。
それもまた、この花の魅力なのかもしれない。
春の訪れを知らせてくれて、
そして、少しだけ笑わせてもくれる。
今年もまた、あの小さな青に出会える季節がやってきた。
今日のWord Note
a sign of spring
意味:春の訪れを感じさせるもの
例
These small blue flowers are a sign of spring.
この小さな青い花は、春の訪れを知らせてくれる。
足元に目を向けると、
季節はいつも、静かに始まっている。
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