哲学本の最後に出てきた言語学者

読書

最近、ちょっと不思議な順番で哲学に触れている。

きっかけは、海外ドラマ
“The Good Place”。

軽いコメディのように見えるのだけれど、

登場人物たちは、
「人はなぜ善いことをするのか」「どう生きるべきなのか」といった問いに何度もぶつかる。
見ているうちに、哲学の大きな流れを少し知りたくなった。

そこで読んでみたのが
『史上最強の哲学入門』(飲茶)だった。

ただ、最初に本を手に取ったときは、少しだけ戸惑った。
少年漫画のような表紙と、勢いのある語り口。
哲学というより、バトル漫画のような雰囲気だったからだ。

けれど読み進めてみると、中身は意外なほどきちんとしていた。
哲学に詳しくない私でも、ソクラテスから近代思想まで、大まかな流れを追うことができる。

途中には、哲学から生まれた言葉の話も出てくる。

「イデア(idea)」
「アカデミア(academy)」
「ロゴス(logicの語源)」

そんな雑学も面白かったのだけれど、
いちばん印象に残ったのは、本の最後に登場した人物だった。

この哲学書のトリを飾っていたのが、哲学者ではなく言語学者、
フェルディナン・ド・ソシュールだったのである。

ソシュールの名前は、日本語教師の勉強をしていたときに何度か見たことがある。
近代言語学の父と呼ばれる人物だ。

彼の考え方のひとつに、こんなものがある。
言葉は、世界をそのまま写しているわけではない。

人間は、言葉によって世界を分類し、意味づけしながら生きている。

つまり、言葉のあり方は、人間の価値観そのものと深く結びついているということだ。

哲学の入門書を読んでいたはずなのに、
最後にたどり着いたのが「言葉」の問題だったというのは、なんだか象徴的だと思った。

それは、以前読んだ
『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』(金谷武洋)
で語られていた言語観とも、どこか通じている気がする。

もし言葉が世界の見え方を形作っているのだとしたら、日本語という言葉の中にも、
まだ気づいていない面白い見方がたくさん隠れているのかもしれない。

散歩をしているとき、
本を読んでいるとき、
ふとした言葉に心が止まることがある。

その小さな発見を、これからも少しずつ拾っていきたいと思った。


今日のWord Note

ロゴス(logos)

語源:古代ギリシャ語

意味:
言葉、理性、論理を表す言葉。

英語の logic の語源でもある。

古代哲学では、
世界を理解するための理性的な秩序や言葉
という意味でも使われてきた。


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