暦の上では立春ですが、週末は雪が散らつく天気でした。
私の住むあたりでも、うっすらと雪化粧。
いつもの散歩道も、白く縁取られるだけでなんだか新鮮に見えます。
思いのほか軽い雪で、風が吹くたびに粉のように舞い散る様子がきれいでした。雪国の方にとっては大変な季節ですが、たまに見る雪景色はやはり特別です。
こんな日は外出を切り上げて、家でゆっくり読書をすることにしました。
図書館で偶然手に取ったのが、椹野道流さんの旅エッセイ
『祖母姫、ロンドンへ行く』 です。

80歳を超えた祖母の「お姫様のような旅をしたい」という願いをかなえるため、親族総出のバックアップで実現した5泊7日の豪華イギリス旅行。
お世話係を任命された著者は、優雅なお姫様どころか、女王陛下のように我が道を突き進む祖母に振り回されっぱなし……という、テンポのよいエッセイです。
入国審査で日本語を話さない職員に臆せず立ち向かったり、食べきれないほど注文しておいて「若いんだからもっと食べなさい」と人に押し付けたりと、なかなかの豪快さ。正直、周りは大変そうです。
それでも不思議と嫌味がなく、常に正直で、自分の望みに真剣で、その姿勢が周りの人をも一生懸命にさせてしまう力があるのです。
著者は祖母のことを「つよメンタル」と表現していましたが、「豆腐メンタル」の私からすると、本当にうらやましい限りです。
特に心に残ったのは、終盤に出てくる
「謙虚と卑下は違う」
という言葉でした。
本当の心遣いとは、努力をして、そのときの最高の自分で人と向き合うこと。
自信がないことを言い訳に、そもそも努力をしていないのではないか――そんなふうに、ぐさりと刺さる言葉でした。
一流ホテルで、良かれと思って梅干しを出してくれたバトラーに、「お茶菓子なら羊羹のほうがいい」とはっきり伝えつつ、相手への敬意も忘れない。
そんな芯の通った優しさで人と向き合えたらいいな、としみじみ思います。
外は静かな雪景色。
温かい部屋で、こんな本に出会えた週末でした。
今日のひとこと英会話
“That really stayed with me.”
(それがとても心に残りました。)
本や映画、誰かの言葉の感想を言うときによく使う表現です。
例:
Her words really stayed with me.
(彼女の言葉がとても心に残りました。)


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