ハンカチひとつで見えてくる、小さな文化の違い

日々の小さな発見

ある日の教室で、学生がふいにこんなことを言いました。

「先生、私、日本人みたいです。」

そう言って、うれしそうにポケットから取り出したのは、小さなタオルハンカチでした。

よく見ると、やわらかな色合いの絵柄。
見覚えのある橋と水辺に咲く花——。

「あら、すてきですね。『睡蓮の池』の絵ですね」

そう言うと、週末に箱根の美術館で買ったのだと教えてくれました。
最近の学生たちは、私も知らないような観光地や穴場を本当によく知っていて、いつも驚かされます。

でも、その日いちばん印象に残ったのは、美術館のお土産よりも、

ハンカチを持ち歩くこと=日本人らしい

という感覚でした。


私にとってハンカチは、あまりにも当たり前の持ち物です。

幼稚園のころから毎日持ち歩いてきたので、もう習慣そのものになっています。

外で手を洗ったあと、ハンカチがないとやはり少し困ります。
エアタオルもありますが、風で水滴が飛んでくるような気がして、私は少し苦手です。

コロナ禍のころは使用停止になっている場所も多く、紙タオルやハンドタオルが置かれていて安心感がありました。
最近はまたエアタオルを見かけることが増えましたが、私はやはり断然ハンカチ派です。


一方で、海外ではハンカチを持ち歩く習慣があまりない国もあるそうです。

たしかに、暮らしている場所が違えば、「当たり前」も変わります。

今は世界中の情報を簡単に知ることができますが、実際にその国に住んでみたり、日々の生活を体験したりして初めて気づくこともたくさんあります。

そんな小さな違いにふと出会えることも、留学や異文化の中で暮らす大きな意味のひとつなのかもしれません。

ハンカチひとつから文化の違いが見えてきた、そんな教室での小さな発見でした。


今日の Word Note

a small cultural difference
(小さな文化の違い)

大きな歴史や制度だけでなく、
毎日の習慣の中にも文化は息づいています。

ハンカチを持ち歩くこと。
靴を脱ぐこと。
あいさつの仕方。

そんなささやかな違いに気づくたび、世界は少し広がるような気がします。


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