komorebi

物語とことば

もう一度、旅に出る季節

旅エッセイを読んで『旅のつばくろ』を読んだ。作者は沢木耕太郎。沢木耕太郎といえば、若い頃に読んだ深夜特急を思い出す。まだ海外旅行が今ほど手軽ではなかった時代、異国の街のざわめきや、空気や匂いまで感じられるような描写に、大いに旅心をかき立てら...
日本語表現

春を感じる日本語の美しい言葉10選|桜前線・花曇り・山笑う(英語の解説つき)

移ろう季節を愛しむ言葉春の訪れとともに、散歩道の風が少しずつ丸みを帯びていくのを感じます。 桜が咲き、やわらかい風が吹き、道ばたの花にもふと目がとまる。今回は、そんな季節の繊細な表情を掬い上げた春を感じる日本語の美しい言葉10選を、英語のニ...
日々の小さな発見

土手の小さなサラダバー

春の散歩道で今は桜が満開の時期。けれど春は、桜だけではない。散歩をしていると、あちらこちらで花が咲き、心がふっと軽くなる。近くの土手では、桜より少し早く、ハマダイコンの花が一面に広がっていた。やわらかな紫色が風に揺れて、いかにも春らしい景色...
日々の小さな発見

理想は、少しやさしい形で

教室で感じたこと日本語学習も中上級になると、経済や社会の問題について話し合う機会が増えてくる。先日、企業理念をテーマにした授業で、サイゼリヤの元社長のインタビューを取り上げてみた。すると、これが思いのほか反応がよかった。難しそうなビジネスの...
物語とことば

還暦からのすごろく

『隠居すごろく』を読んで『隠居すごろく』を読んだ。作者は西條奈加。なんの前知識もなく読み始めたのだが、これがとても面白かった。江戸時代の町人の暮らしを舞台にした、あたたかな人情小説である。物語の主人公は、商いを子に譲り、隠居した徳兵衛。六十...
物語とことば

理屈とことばのあいだで

『探偵ガリレオ』を読み終えて探偵ガリレオを読み終えた。東野圭吾の作品といえば、私の中では『ナミヤ雑貨店の奇蹟』や『クスノキの番人』のように、どこかノスタルジックで温かいファンタジーが思い浮かぶ。けれど、この『探偵ガリレオ』は、少し違う顔を見...
日本語表現

心に残る日本語の美しい言葉10選|余韻(よいん/yo-in)・名残(なごり/nagori)・面影(おもかげ/omokage)を味わう

消えゆくものに宿る美しさ本を読み終えたあと。旅から帰ってきたあと。あるいは、誰かと別れたあと。何かが終わったあとに、言葉にしきれない静かな感情が胸の奥に残ることがあります。日本語には、そんな「あとに残る感情」をやさしくすくい上げる言葉が、い...
日々の小さな発見

春の教室に残るもの

新たな門出に向けて春は、別れと出会いの季節だ。日本語学校でも、多くの学生たちがそれぞれの道へと一歩を踏み出していった。専門学校へ進学する学生、無事に就職が決まった学生、そして母国へ帰っていく学生。その進路はさまざまだ。最後の教室では、いつま...
日々の小さな発見

足元の春

オオイヌノフグリに出会う朝—オオイヌノフグリに出会う朝桜やミモザ、沈丁花。春を感じさせてくれる花はいろいろある。けれど、私にとって「春が来た」と実感するのは、もう少し足元に近いところにある。オオイヌノフグリ。地面に張り付くように、雑草のあい...
物語とことば

想像しながら読む楽しみ

Fourth Wing をゆっくり読み進める最近 Kindle で読んでいる洋書はFourth Wing(Rebecca Yarros)。物語の主人公はヴァイオレットという若い女性。彼女は本来、書物を扱う学者の道に進むはずだったが、母の命令...